after you've gone

 窓辺には少年が座っていた。
 その椅子はカミュがよく使っていた、そこからそんなふうにして窓の外を眺めるために、と言おうとして、俺は言葉を呑み込んだ。そんなことを言っても、彼を悲しがらせるだけだ。
 今日も永遠に続くような夏の一日で、空は濃く、光に満ちていた。少年は相変わらず窓辺に頭を押し付けている。

つづき

texts | topへ戻る