カミュは起きていたのだ。
酔っ払っていたが、意識はあった。ミロとアイオリアが交わるのを、カミュは黙って聞いていた。セックスしたいと思ったが、酔っ払いすぎていて、下半身が使い物にならないのが判っていた。雷が鳴り続け、合間に物音が聞こえ続ける。何度か寝返りを打ち、しょうがないのでカミュはキッチンへ行って、医者からもらっていた安定剤を飲んだ。ついでに服も脱いで楽な格好になって、またベッドに転がった。彼らは気付かないようだった。クスリのおかげですぐに眠れた。
目が覚めて、カミュはシャワーを浴びた。ミロはシーツにくるまったまま、おはようだとか何とか言いながらまだ半分寝ている。怪我をして昏睡状態に陥って、それから一度もセックスしてないことを思い出し、カミュは発情した。
部屋のベルが鳴る。丁度良かった、とカミュは鍵を開けに行く。おはよう、と言いながらアイオリアが入ってくる。今日は遅いなカミュ。今起きたのか?
「服を脱げ」
アイオリアを迎え入れながらカミュは言った。アイオリアは朝一番で聞く台詞に耳を疑って、カミュを振り返る。
ミロはそれを聞き、別れの切ない予感に心を痛めながらベッドを離れようとした。おい、とカミュが言う。
「どこへ行く」
「見てなきゃなんないのか、俺は」
カミュは怪訝な顔をした。
「三人でやるんだよ。服を脱いでベッドに上がれ」
ミロとアイオリアは口を極めて、カミュの不道徳をなじった。カミュは心底萎えて、また安定剤を飲んだ。
「今日はわたしは出かけないからな。おまえら二人でどこへでも行け」
二人を追い出して、カミュはベッドに倒れこんだ。
end
2008/02/28